トーキョースパムCHANNKOSUMO

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これまで、望ましい都市の形態についての諸説や、望ましい都市形態の実現のための諸技術は様々に提唱されて来たが、普遍的・決定的な定説という意味での「都市計画理論」は未だ存在していない。歴史的に見ると、19世紀後半から20世紀前半にはユートピア的な都市論(田園都市、輝く都市、近隣住区など)が提案され、ニュータウン事業などに採り入れられた。

しかし、理想的な都市を論ずる「都市論」に基づいた都市計画は1960年代に入り疑問視され、計画手法を論ずる都市計画理論が議論されるようになる。

1960年代には、クリストファー・アレグザンダーが、数学の集合論などをもちいて、それまでの機能主義的な、あるいは近隣住区論的な都市計画理論を痛烈に批判している。アレグザンダーは都市空間の認識と集団的設計の道具としてパタン・ランゲージという手法を提案し実践した。また、機能主義的な都市計画や都市再開発事業はジェイン・ジェイコブズによっても批判された。1970年代以降、欧米では、都市計画の課題が、郊外新市街地の開発による住宅供給から、インナーシティ(都市の内部市街地)の老朽化・空洞化・スラム化、歴史的伝統的都市空間の保全再生に移ったこともあり、今日では機能主義的な都市空間の開発や全面再開発を否定し、伝統的な都市空間・都市社会の保全・改善・再生を重視する都市計画論が主流となっている。ケヴィン・リンチは、住民による集合的意識地図から人々がどのように都市を把握しているか理解するべきであると提唱した。リンチの教え子は、アドボカシープランニングの考えを取り入れながら、その後住民とともに都市を考えるデザインゲームなどの手法を開発し、今日まで実践を続けている。

近年の都市計画理論は、再び理想的な都市形態を論ずることが多くなってきた。これは、持続可能な開発を目指す開発論や中心市街地活性化などに端を発している。これを実現するための主導的都市イメージとして、イギリスやアメリカのアーバンビレッジ、ヨーロッパのコンパクトシティアメリカのニューアーバニズムなどの動きが起こっている。三者は相違点もあるが、自動車依存型の低密度郊外住宅地開発に対するアンチテーゼとして、公共交通や自転車により自動車に頼らず生活できる比較的高密度な都市形態を提案している点などで共通している。